厚生労働省のカリキュラムに準じて民間団体にて資格認定が行われていた、いわゆる「標準レベルキャリア・コンサルタント」が、現在国家資格化に向かって動き出しています。


キャリア・コンサルタントの4つのレベル

厚生労働省キャリア形成支援室が発表した「キャリア・コンサルタント養成計画」によると、日本のキャリア・コンサルタントの累積養成数を平成36年度末に「10万人」にするとされています。
この流れに沿うような形で、今回の「標準レベルキャリア・コンサルタント」の国家資格化の動きも活発化しているようですね。

現在、日本におけるキャリア・コンサルタントは、厚生労働省により導入・標準・熟練・指導の4つのレベルに分けられています。
熟練と指導の2つのレベルは「キャリア・コンサルティング技能検定」という国家検定に合格する必要があり、キャリア・コンサルタントを目指す方の多くは、民間資格である「標準レベルキャリア・コンサルタント」を目指されます。

「標準レベルキャリア・コンサルタント」になるには、厚生労働省が認定する10の民間団体が実施する講座を修了し、試験に合格する必要があります。
特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会主催の「GCDF-Japanキャリアカウンセラー」や、特定非営利活動法人日本キャリア開発協会主催の「CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)」などが有名です。

現在、「標準レベルキャリア・コンサルタント」の資格を保有されている方は、国家資格への移行措置が予定されています。
国家資格になると、おそらく年に1・2回の試験回数になると予想されるので、今の内に「標準レベルキャリア・コンサルタント」に合格しておいて、移行措置を待つという流れが予想されますね。
もしかしたら試験も難しくなるかもしれませんし。

技能検定の位置づけは?

民間資格である「標準レベルキャリア・コンサルタント」が国家資格になると、もともと国家検定であった「キャリア・コンサルティング技能検定」と、その資格である「1・2級キャリア・コンサルティング技能士」との位置づけが気になるところです。

熟練・指導というレベルは変わらないでしょうから、「標準レベルキャリア・コンサルタント」が国家資格になることで、より他のキャリア・コンサルタントとの差別化や優位性を打ち出すためには、技能検定の位置づけはより高まるのでは?と思います。

(山下 史彦)