MovableType Premium(プレミアム)は、標準版のMovableTypeをベースに、大企業や公共機関での利用を想定した高度な機能を追加したCMS(コンテンツ管理システム)です。
この記事では、MovableType Premiumに搭載されているエンタープライズ向け機能、ソフトウェア版とクラウド版の料金体系、そして通常版や他のエディションとの違いについて詳しく比較解説します。

この記事でわかること
・ Movable Type Premiumに標準搭載された大企業向けの高度な機能
・ ソフトウェア版とクラウド版、2つの導入形態と料金体系
・ 通常版や他エディションとの違いと、自社に合う製品を選ぶポイント

MovableType Premiumとは?大企業向けに機能を強化したCMS

MovableType Premium(プレミアム)は、シックス・アパート社が提供するCMS「MovableType」のハイエンドエディションです。
主に大規模なウェブサイトや、厳格なセキュリティ・コンプライアンスが求められる企業の公式サイト、公共機関などで利用されることを想定して開発されました。
標準版の機能に加え、複数人でのサイト運用を円滑にするワークフロー機能や、高度なサイト内検索機能などを標準で搭載しているのが特徴です。

MovableType Premiumに標準搭載されたエンタープライズ向け機能

MovableType Premium(プレミアム)には、通常版ではプラグインとして別途導入が必要な、企業サイトの運用に不可欠な機能が標準で組み込まれています。
これにより、プラグインの選定やインストールの手間なく、購入後すぐに高度なサイト管理・運用を開始できます。
ここでは、代表的なエンタープライズ向け機能を5つ紹介します。

多段階の承認フローを実現するワークフロー機能

コンテンツの公開前に、複数部署や役職者による承認プロセスをシステム上で完結させられる機能です。
例えば、「作成者→編集長→法務部」といった多段階の承認ルートを自由に設定できます。
担当者が出張などで不在の場合に備えて代理承認者を設定したり、複数人の中から誰か一人が承認すれば次に進むといった柔軟な設定も可能です。

これにより、コンテンツの品質担保と内部統制の強化を実現します。

PDFファイル内も検索できる高度なサイト内検索機能

検索エンジン「Elasticsearch」または「AmazonOpenSearchService」との連携により、高速かつ高精度なサイト内検索を実現します。
ウェブページの記事本文だけでなく、添付されたPDFやWord、Excelといったファイル内に含まれるテキストも検索対象にできます。

これにより、ユーザーはサイト内に散在する膨大な情報の中から、求める文書や資料を迅速に見つけ出すことが可能です。

公開前に安全な環境で表示確認できるセーフプレビュー

公開前のウェブページを、IDとパスワードを知る関係者のみが閲覧できる安全なプレビュー環境で確認できる機能です。
本番サイトと同一のURLで表示確認ができるため、デザインの崩れやリンク切れなどを公開前に正確にチェックできます。

ステージングサーバーを別途用意する必要がなく、コストを抑えながら安全なコンテンツ確認プロセスを構築することが可能です。

指定日時にコンテンツを自動公開できるタスク管理・予約機能

コンテンツの公開・非公開を指定した日時に自動で実行できる機能です。
ニュースリリースやキャンペーン告知など、特定の時間に公開したいコンテンツを事前に登録しておくことで、担当者が公開時間に手動で作業する必要がなくなります。
また、未来の日付の記事を別の記事に差し替えるといった、複雑なコンテンツ更新予約も可能で、サイト運用の計画性と効率性を高めます。

サイト全体の階層構造を視覚的に把握できるサイトマップ表示

数百、数千ページに及ぶ大規模サイトの全体像を、管理画面上でツリー形式のサイトマップとして視覚的に把握できる機能です。
各ページの階層関係が一目でわかるため、サイト構造の整理やコンテンツの棚卸し作業が効率的に進められます。

ドラッグ&ドロップの直感的な操作でページの階層を移動させることも可能で、サイトのリニューアルや再編時にも役立ちます。

MovableType Premiumの導入費用|プラン別の料金体系

MovableType Premium(プレミアム)には、自社サーバーにインストールして利用する「ソフトウェア版」と、シックス・アパート社が提供するサーバー環境を利用する「クラウド版(MovableType PremiumS)」の2種類の提供形態があります。
それぞれ料金体系が異なるため、自社の運用方針や予算に合わせて選択する必要があります。
ここでは、各プランの費用について解説します。

ソフトウェア版のライセンス費用と年間メンテナンス費用

ソフトウェア版は、自社のサーバー環境にMovableType Premiumをインストールして利用するプランです。
初年度にライセンス費用が必要となり、価格は825,000円(税込)からです。
次年度以降は、製品のアップデートやテクニカルサポートを受けるための年間メンテナンス契約(税込275,000円)が別途必要になります。

サーバーの自由度が高く、独自のカスタマイズを加えたい場合に適しています。

クラウド版(MovableType Premium)の月額料金プラン

クラウド版は、MovableType Premiumの機能をSaaS形式で利用できるサービスです。
サーバーの構築や保守管理を自社で行う必要がなく、初期費用を抑えて導入できるのがメリットです。
料金は月額制で、サイトの規模や必要なスペックに応じた複数のプランが用意されています。

Movable Type クラウド版は、「IDCFクラウド」と「さくらのクラウド」の2つのIaaS基盤で提供しています。

MovableTypeの他エディションとの違いを比較

MovableTypeには、Premium以外にも「通常版」や、さらに特定の要件に特化した「Advanced」などのエディションが存在します。
自社の目的やサイトの規模、必要な機能を明確にした上で、どのエディションが最適かを見極めることが重要です。
ここでは、通常版およびAdvancedとの主な違いを比較し、選定のポイントを解説します。

MovableType(通常版)との違い:プラグイン追加購入とのコスト比較

通常版とPremium版の最も大きな違いは、エンタープライズ向け機能が標準搭載されているか否かです。
通常版でも、ワークフローやサイト内検索などの機能はサードパーティ製のプラグインを追加購入・導入することで実現できます。
しかし、複数の高機能なプラグインを導入すると、合計金額がPremium版のライセンス費用を上回るケースも少なくありません。
必要な機能が明確な場合は、最初からPremium版を選択する方が結果的にコストを抑えられる可能性があります。

MovableType Advancedとの違い:LDAP連携や特定DBの対応要件で選ぶ

MovableTypeAdvancedは、Premiumの全機能に加え、さらに大規模なシステム連携要件に対応する最上位エディションです。
主な違いは、LDAP/ActiveDirectoryサーバーと連携したユーザー認証機能や、データベースとしてOracleDatabase、MicrosoftSQLServerを利用できる点です。

社内の基幹システムとCMSのユーザー情報を一元管理したい場合や、社内標準データベースの利用が必須である場合は、Advanced(アドバンスト)を選択する必要があります。

MovableType Premiumを導入する3つのメリット

MovableType Premium(プレミアム)を導入することは、単に機能が追加されるだけでなく、サイト運用全体の品質と効率を向上させる多くのメリットをもたらします。
特に、セキュリティ、複数人での運用体制、コンテンツ更新のしやすさという3つの観点から、企業サイトが抱える課題を解決に導きます。

ここでは、具体的な導入メリットを解説します。

厳格なセキュリティ要件が求められる大規模サイトに対応

MovableType Premiumは、企業のセキュリティポリシーに対応するための機能を豊富に備えています。
管理画面へのアクセス元IPアドレスを制限する機能や、安全な環境で公開前コンテンツを確認できるセーフプレビュー機能などが標準で搭載されています。
これにより、不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減し、金融機関や官公庁など、特に高いセキュリティレベルが求められるサイトでも安心して利用することが可能です。

複数人でのコンテンツ運用を効率化する承認フローを標準搭載

ウェブサイトの運営に複数の部署や担当者が関わる場合、コンテンツの承認プロセスが煩雑になりがちです。
MovableType Premiumに標準搭載されているワークフロー機能を使えば、コンテンツ作成から公開までの承認ルートをシステム上で管理できます。
誰がどの段階で承認すべきかが明確になり、確認漏れや公開ミスを防ぎます。

属人的な運用から脱却し、組織としてのガバナンスを強化しながら運用効率を高められます。

管理画面のカスタマイズでコンテンツ更新作業を簡略化

MovableType Premiumには、管理画面を柔軟にカスタマイズできる「MTAppjQuery」というプラグインが同梱されています。
これを利用することで、記事の入力項目を直感的に分かりやすく整理したり、入力補助機能を付け加えたりすることが可能です。

CMSの操作に不慣れな担当者でも迷わず更新作業ができるようになるため、教育コストの削減や作業ミスの防止につながり、コンテンツ作成の属人化を防ぎます。

MovableType Premiumに関するよくある質問

MovableType Premium(プレミアム)の導入を検討する際に、多くの方が抱く疑問点についてまとめました。
ワークフロー機能の具体的な設定範囲や、他のエディションとの選定基準、クラウド版との違いなど、よくある質問とその回答を紹介します。
自社の状況と照らし合わせながら、導入検討の参考にしてください。

MovableType Premiumのワークフロー機能ではどのような承認設定ができますか?

MovableType Premiumのワークフロー機能では、柔軟な承認ルートを設定できます。
複数の承認者・承認グループを順に経由する多段階承認はもちろん、担当者不在時に対応する代理承認、上位の役職者へ承認を依頼する引き上げ承認などが可能です。

また、グループ内の誰か一人が承認すれば次に進む設定もでき、組織の運用ルールに合わせた承認プロセスを構築できます。

MovableTypeの通常版とPremium版では、どちらを選ぶべきですか?

複数人での承認フロー、PDFを含む高度なサイト内検索、安全な事前プレビューといった機能が必須であれば、Movable Type Premiumが適しています。
これらの機能をプラグインで個別に追加すると、結果的にPremium版より高コストになる可能性があるためです。

一方、個人のブログや小規模なサイトで、これらの機能が不要な場合は、通常版で十分です。

MovableType PremiumSとは何ですか?クラウド版の料金は異なりますか?

MovableType PremiumSは、MovableType Premium(プレミアム)の機能をSaaS形式で利用できる公式のクラウド版サービスです。
サーバーの構築や保守管理をシックス・アパート社に任せられるため、インフラ運用の手間なく導入できます。
料金体系はソフトウェア版のライセンス購入とは異なり、月額制となっています。

クラウド版は初期費用を抑えたい場合に適した選択肢です。

まとめ

MovableType Premiumは、大企業や公共機関のウェブサイト運用に求められる高度な機能とセキュリティを標準で備えたCMSです。
多段階の承認フローを管理するワークフロー機能や、PDFファイル内も検索できる高機能なサイト内検索は、複数人での大規模サイト運用を効率化し、ガバナンスを強化します。
導入にはソフトウェア版とクラウド版があり、それぞれ料金体系が異なります。

通常版やAdvancedとの違いを理解し、自社の要件とコストを比較検討した上で、最適なエディションを選択することが重要です。