Wi-Fiの規格とは、無線でインターネットに接続するための技術的なルールのことです。
この規格が進化してきた歴代の歴史を知ることで、それぞれの種類がどう違うのか、通信速度や安定性がどのように向上してきたかが理解できます。
現在では「Wi-Fi6」や「Wi-Fi7」といった新しい規格が登場しており、利用環境に合った製品を選ぶための重要な指標となっています。
そもそもWi-Fiとは?無線LANとの違いをわかりやすく解説
Wi-Fiとは、無線LAN(Local Area Network)を普及させるために設立された団体「Wi-FiAlliance」が、相互接続性を認めた製品に与えるブランド名です。
一方、無線LANは、ケーブルを使わずに機器同士を接続するネットワーク技術そのものを指します。
つまり、Wi-Fiは無線LANの一種であり、認証を受けた製品という点が違うだけで、実質的にはほぼ同じ意味で使われています。
【比較】Wi-Fi規格の種類と違いが一目でわかる
Wi-Fiの規格には複数の種類があり、それぞれ最大通信速度や利用できる周波数帯、そして技術的な特徴が違います。
新しい規格ほど高速で安定した通信が可能になりますが、利用するためにはルーターと接続する端末(スマートフォンやPCなど)の両方が同じ規格に対応している必要があります。
ここでは、歴代の規格ごとの違いを一覧で確認し、それぞれの特徴を解説します。
世代ごとの名称(Wi-Fi 7, 6E, 6, 5など)と技術規格名の一覧
Wi-Fiの規格は、以前は「IEEE802.11ax」のような技術規格名で呼ばれていましたが、利用者に分かりやすくするため、2018年からは「Wi-Fi6」のように世代で示す名称が使われるようになりました。
この世代名は数字が大きいほど新しい規格を意味します。
例えば、「Wi-Fi6」は技術規格名「IEEE802.11ax」に相当します。
これにより、多くの人が直感的に規格の新しさを判断できるようになりました。
最大通信速度は規格ごとにどう進化したか
Wi-Fiの通信速度は、新しい世代の規格が登場するたびに飛躍的に向上してきました。
第4世代の「Wi-Fi4」の最大通信速度が600Mbpsだったのに対し、第5世代の「Wi-Fi5」では6.9Gbps、第6世代の「Wi-Fi6」では9.6Gbpsへと高速化しています。
この速度の違いは、高画質な動画のストリーミングやオンラインゲームなど、大容量のデータを扱う際の快適さに大きく影響します。
ただし、これらは理論上の最大値であり、実際の通信速度は利用環境によって変動します。
利用できる周波数帯(2.4GHz/5GHz/6GHz)のそれぞれの特徴
Wi-Fiでは主に「2.4GHz」「5GHz」「6GHz」という3つの周波数帯が利用されます。
2.4GHz帯の特徴は、壁や床などの障害物に強く、電波が遠くまで届きやすい点ですが、電子レンジなど他の家電と電波干渉を起こしやすいデメリットがあります。
5GHz帯は通信速度が速く、他の家電との電波干渉が少ないものの、障害物には弱い特性を持ちます。
最新規格で利用できる6GHz帯は、5GHz帯よりもさらに高速で安定していますが、利用できる機器がまだ限られています。
Wi-Fi規格の進化の歴史を誕生から最新まで振り返る
Wi-Fiの規格は、1997年に最初の規格が策定されて以来、社会のニーズに合わせて進化を続けてきました。
歴代の規格を振り返ると、通信速度の向上だけでなく、接続の安定性やセキュリティも世代を重ねるごとに強化されています。
スマートフォンの普及や動画コンテンツの増加といった時代の変化に対応しながら、より快適な無線通信を実現するための技術革新の歴史を見ることができます。
Wi-Fiの黎明期:第1世代から第3世代まで(IEEE 802.11a/b/g)
Wi-Fiの歴史は1997年に登場した初代規格「IEEE802.11」から始まります。
その後、1999年に「11b」と「11a」が登場し、特に「11b」は広く普及しました。
2003年には「11b」と互換性を持ち、通信速度を向上させた第3世代の「11g」が策定され、一般家庭やオフィスでの無線LAN利用が本格化するきっかけとなりました。
この時期の歴代規格が、今日のWi-Fiの土台を築いた世代と言えます。
高速化で普及が加速:第4世代(IEEE 802.11n / Wi-Fi 4)
2009年に標準化された第4世代の規格「IEEE802.11n」(Wi-Fi4)は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)という複数のアンテナで同時に通信する技術を導入し、最大通信速度を600Mbpsまで大幅に引き上げました。
この高速化により、動画視聴などが快適に行えるようになり、Wi-Fiの普及が一気に加速しました。
歴代の規格の中でも、Wi-Fiが生活に欠かせないインフラとなる転換点となった世代です。
5GHz帯が主流に:第5世代(IEEE 802.11ac / Wi-Fi 5)
2013年に登場した第5世代の「IEEE802.11ac」(Wi-Fi5)は、電波干渉の少ない5GHz帯を専門に利用することで、さらなる高速通信を実現しました。
最大通信速度は6.9Gbpsに達し、スマートフォンやタブレットの急速な普及と相まって、高画質な動画ストリーミングサービスなどを快適に利用できる環境を整えました。
この世代から、歴代のWi-Fiルーターの多くが5GHz帯を標準的にサポートするようになりました。
混雑に強く安定性が向上:第6世代(IEEE 802.11ax / Wi-Fi 6・Wi-Fi 6E)
第6世代にあたる「IEEE802.11ax」には、「Wi-Fi6」と「Wi-Fi6E」の2つがあります。
2019年に登場したWi-Fi6は、OFDMAという技術により、多くの機器を同時に接続しても通信が混雑しにくく、安定性が向上したのが大きな特徴です。
さらにWi-Fi6Eでは、従来の2.4GHz/5GHz帯に加え、新たに6GHz帯が利用可能となり、より高速で遅延の少ない通信が実現しました。
次世代の超高速通信へ:第7世代(IEEE 802.11be / Wi-Fi 7)
第7世代の最新規格「IEEE802.11be」(Wi-Fi 7)は、2024年に正式発表されました。
この世代では、MLO(Multi-Link Operation)という新技術により、2.4GHz、5GHz、6GHzの周波数帯を同時に利用して通信できるため、歴代の規格を大幅に上回る最大46Gbpsの通信速度と、優れた安定性を実現します。
8K動画のストリーミングやVR/ARなど、将来の技術に対応する規格です。
自分に合ったWi-Fi規格の選び方と今使っている機器の確認方法
最適なWi-Fi規格を選ぶには、まず自分の利用目的を明確にし、現在使用しているスマートフォンやPCがどの規格に対応しているかを知ることが重要です。
ここでは、目的別におすすめの規格の種類を紹介するとともに、手持ちの機器の対応規格を調べる具体的な方法を解説します。
この調べ方を参考に、自分の環境に合ったルーターを選びましょう。
【目的別】今ルーターを買い替えるならどのWi-Fi規格がおすすめ?
ルーターを選ぶ際は、利用目的に合った種類の規格を選ぶことが重要です。
Webサイトの閲覧やSNSが中心なら、コストパフォーマンスに優れた「Wi-Fi5」でも十分な場合があります。
一方、オンラインゲームや4K動画の視聴、Web会議など、速度と安定性を求めるなら「Wi-Fi6」や「Wi-Fi6E」がおすすめです。
最新の性能を求める場合や、将来的な利用を見越すなら「Wi-Fi7」対応ルーターが選択肢となります。
お使いのスマホやPCが対応しているWi-Fi規格を確認する手順
使用中の機器が対応するWi-Fi規格の調べ方として、最も簡単なのは製品の取扱説明書やメーカーの公式サイトで仕様を確認する方法です。
また、OSの設定画面からも確認できます。
iPhoneでは「設定」>「Wi-Fi」で接続中のネットワーク情報を、AndroidではWi-Fiの詳細設定で確認可能です。
WindowsやMacでは、ネットワークアダプターのプロパティやシステム情報から、対応する規格(例:802.11ax)を確認できます。
Wi-Fiの規格や歴史に関するよくある質問
ここでは、Wi-Fiの規格や歴史について、多くの人が疑問に思う点やよくある質問に回答します。
Wi-Fi 6とWi-Fi 5の具体的な違いは何ですか?
最大の違いは通信の速度と安定性です。
Wi-Fi6はWi-Fi5より最大通信速度が約1.4倍速いだけでなく、多くの端末を同時に接続しても速度が落ちにくい技術(OFDMA)が採用されています。
このため、家族全員が同時に使うような環境でも安定した通信が可能です。
前の世代であるWi-Fi5との大きな違いはこの安定性にあります。
「IEEE 802.11ax」と「Wi-Fi 6」は同じものを指しているのですか?
はい、同じものを指しています。
「IEEE802.11ax」は技術標準を定める団体が使う公式な規格名で、「Wi-Fi6」は利用者が分かりやすいようにWi-FiAllianceが定めた世代を示す名称です。
呼び方が違うだけで、技術的な内容は同一です。
同様に「IEEE802.11ac」は「Wi-Fi5」と呼ばれます。
自分の持っているルーターやスマホのWi-Fi規格はどこで確認できますか?
製品本体のラベルや箱、取扱説明書で確認するのが確実です。
また、メーカーの公式サイトにある製品仕様ページでも調べられます。
スマートフォンやPCの場合、OSのネットワーク設定画面から接続中のWi-Fi情報を確認する方法もあります。
この調べ方で、対応している規格(例:Wi-Fi6や802.11ax)が分かります。
まとめ
Wi-Fiの規格は、初代の登場から現在に至るまで、通信速度や安定性を向上させるために進化を続けてきました。
規格には「IEEE802.11ax」といった技術規格名と、「Wi-Fi6」のような世代を示す名称があり、両者は対応しています。
それぞれの規格は最大通信速度や利用できる周波数帯が異なり、新しい世代ほど高性能です。
ルーターなどを選ぶ際は、利用目的や手持ちの機器が対応する規格を確認することが、快適な通信環境を構築する上で重要です。